「教える接客」で、人の役に立ちたい。
大学では福祉心理学を学び、将来は介護の道に進むつもりでした。その思いを変えたのは、ファミレスでのアルバイトです。常連のお客様がモーニングを注文の際、ある日を境に「いつもの」とおっしゃったんです。それまでは、メニューや卵の焼き方など細かく注文されていたのですが、それが一転。私のことを「いつものスタッフ」と認識し、なんだか信頼された気がして、「接客って面白い」と思ったのです。もうひとつ、塾講師のアルバイトを通じて、教える楽しさも感じていた時に偶然、求人情報サイトでビックカメラの募集を見つけたんです。「教える×接客」というキーワードが、仕事のイメージに重なりました。それに、外出先から帰宅する父と妹がよくビックカメラの袋を下げていたので、親しみも感じていましたね。よく通勤や通学途中に池袋本店に寄っていたそうです。最初の配属が池袋本店に決まった時、父がとても喜んでくれたことを覚えています。

所属店舗で
女性初のテレビ売場の担当に。
悔しさをバネに成長。
池袋本店で最初に担当したのは、テレビ売場。当時、池袋本店のTV売場においては初の女性販売員でした。というのも、お客様はほとんどが男性で、女性や年配のお客様が買い物しづらいイメージがあり、そんな売場を変えたいという狙いもあったそうです。目標は、すべてのお客様が楽しみながら買い物できること。そこで私自身、「お客様が質問しやすい販売員になろう」と決意。ところが、そんな気持ちとは裏腹に「(女性ではなく)、わかる人を連れてきて」とお客様に言われてしまうこともしばしば。それが悔しくて。ですが、意地になってもご迷惑になってしまうので、先輩に接客を代わってもらい、その後ろで勉強しました。商品知識をたくさんインプットし、わかりやすい売場づくりも意識しました。鮮やかさが特長のテレビなら大迫力の映像を、サウンドが強みなら臨場感を体感できるように。POPも工夫し、お客様に楽しんでいただける売場を目指しました。
異動後も訪ねてくれたお客様に、
接客の醍醐味を知る。
入社3年目でビックロ新宿東口店に異動した時に、以前、池袋本店でテレビを購入してくださったお客様がわざわざ訪ねてくれたんです。「また永松さんから買いたいと思って」と。本当にびっくりしましたし、うれしかったです。その方が、自分を信頼してくださった最初のお客様です。接客をしていると、明らかに警戒しているお客様も多いんです(笑)。「売りつけられる」と不安を感じさせるのではなく、お客様のお話を聞いて一緒に考え、最適な提案をすることをいつも心がけていますが、その寄り添う気持ちを理解していただき、自分の接客に○をもらえた気がしました。今は常連のお客様も増えたので、今回、新宿東口駅前店に異動し店長になったことは一人ひとりにご連絡しました。都心の家電の販売店でこんな風にお客様と信頼関係が築けるのは、自分でも面白いなあと感じています。

期待の女性店長として
店舗リニューアルに奮闘。
じつは、私はビックカメラでは数少ない現役女性店長なんです。店長として最初の仕事は、店舗のリニューアルで現在進行形です。プレッシャーは大きいですが、お客様にとっていかにわかりやすい売り場をつくるか、接客を通じてお客様からヒントをもらい、頭の中で考えを巡らせています。こちらの店舗はインバウンドのお客様も多いため、今回、思いきって携帯電話コーナーはなくし、海外のお客様に好評なカメラや美容家電売場を拡大します。特徴的な品揃えにすることで、日本人のお客様にとっても満足度の高いお店になるはずです。店長として、まずはこの店舗をまとめること。売り上げ達成はもちろん、お客様に安心して買い物を楽しんでいただき、メンバーもいきいきと働ける場所にしたい。また、これまでとは違った女性ならではの店長像を、私らしいスタイルで後輩たちに示し、女性活躍の一助となればと考えています。
