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布団の基礎知識
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うもうふとんの「うもう」とは
「うもうふとん」とは布団の中身に「うもう」を使ったふとんの事を言います。一般的にはグース(がちょう)やダック(あひる)といった水鳥たちの「うもう」が使われます。水鳥の「うもう」は、その形からダウン(Down)とフェザー(Feather)に分けられます。
ダウンは胸から腹部にみられるタンポポの綿毛のような形をした「うもう」で、いわば鳥の肌着にあたるもの。フェザーは、いわゆる鳥の羽根なんですが、鳥の上着と考えればわかりやすいでしょう。 全⻑6.5cm以下の小さなフェザーはスモールフェザーと呼ばれています。
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「うもうふとん」とは
「うもうふとん」とは、そのダウンが50%以上含まれたものをいい、フェザーが50%以上の「羽根ぶとん」とは区別しています。
一般的にダウンの混合率の高いもの程高級といえます。「うもうふとん」はふんわりとしていて軽く、暖かい。さらに汗をよく吸収し、吸収した汗を発散します。そのうえ、ドレープ性が良いのでふとんが身体に沿ってフィットし、寒気が入り込みません。つまり身体にやさしく、快適な眠りの時間が過ごせる理想のふとんなのです。
ダウンの基礎知識
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軽くて、暖かい
「うもうふとん」があたたかいのはなぜでしょう?それはダウンが呼吸をしているからです。寒いとき、ダウンはふくらんで開きます。ひとつひとつは重なり合わず、たくさんの空気を抱え込んで暖かさを保ちます。ふとんはふっくらとボリュームがあっても、中身はほとんど空気。軽くて身体を圧迫しません。逆に、暑いときはダウンが閉じます。空気を抱え込まず、通気性をよくするのです。
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汗や湿気を吸い取り、外に発散
人は寝ている間にコップ1杯もの汗をかくといわれています。暑いときダウンを閉じて通気性をよくし、水分を発散します。これは透湿性と呼ばれるダウンの特性です。「うもうふとん」は他の素材のふとんに比べて透湿性に優れているため、サラッとした肌ざわりでよく眠れます。
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身体のラインに沿ってフィット
ドレープ性(肌沿い)もダウンの特性です。ドレープ性とは、ふとんが身体に沿ってフィットすることで表す言葉。ダウンは、それぞれが層になったり、重なり合ったりしないので、空気をたくさん含み、ふとんが身体に沿って沈みます。肩口などから寒い空気が入りにくく、ふとんの暖かい空気も逃しません。
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たたむと、こじんまり
「うもうふとん」の中身はほとんど空気ですから、広げるとふっくらしますが、ぎゅっとたたむと、かなり小さくなります。その圧縮率は他のどの素材よりも大きくなっています。収納するときも、綿のふとんより小さなスペースですみます。
生地の基礎知識
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うもう+うもうを生かす側生地
豊かな眠りの環境には、心理的なやすらぎも必要です。「うもうふとん」のやすらぎ感は、ふかふかなダウンもさることながらふとんをくるんでいる布地、つまり「側生地」の肌ざわりにもあります。たとえ中身が良質の「うもう」でも、それを包む側生地がゴワゴワでは、やわらかくやさしい「うもう」の弾力性が肌に伝わりません。
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側生地の役目
側生地には、肌ざわりのソフトさに加え、軽さと強さ、通気性のよさも求められます。また、中の「うもう」が外に飛び出すのを防ぐための加工も重要です。丈夫なツイル織りやドレープ性に優れたサテン織りが最適です。
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高密度な生地の良さ
生地はコットンが主流で、より細い糸で織られた目の細かいものほど、よいとされています。側生地の密度は「打ちこみ本数」で表します。打ちこみ本数とは、1インチ(約2.5cm)四方のタテ糸とヨコ糸の合計数のことで、これが300本以上のものが高密度の側生地といえます。高密度の側生地からは、ダニなどが侵入しません。そして、うすくやわらかく仕上がるため、ふとんのドレープ性がいっそうよくなります。
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無地とプリントの違い
側生地は無地かプリントされているかによっても、風合いが違ってきます。花柄などのプリントを施すことによって、生地本来の持つやわらかさや通気性が損なわれてしまうのです。ですから、伝統あるヨーロッパの「うもうふとん」の側生地には、良質で無地の綿(コットン)が多く使われています。